Frankfurt At-Wagen

Photo by: NITS-Center

基本情報

フランクフルト市電の保線や作業のために動く車両がいる。普段のターコイズとは違い、ひときわ目立つオレンジ色のボディをまとう車両が毎日の運行を支える事業用車両。旧型車両を改造して作られた車両や新造車両も全てAt型としてまとめられる。

各仕様の違い

At 2002 / 2003

珍しく日中に現れた線路削正車。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

1975年にK型4両を改造して作られた線路削正車両。4両編成で作業を行うのが普通だったが、場合によっては2分割して同時に作業を行うことも可能。
2023年2月現在、故障の影響で半分のみが稼働している。
釣り掛け駆動なうえ、線路を削る作業の音が莫大なため、かなり遠くから近づいてくる音が聞こえる。

At 2014

旧型バスと並ぶ作業用車両。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

1971年にK型から改造された作業用車両。現在は検査切れで留置されている。

At 2016

砂利運搬貨物をけん引する作業用車両。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

1989年に自社製造された、バッテリー搭載の救援車。救援以外でも貨物運搬のために稼働していることも多く、線路工事が行われる際によく見ることができる。
台車はM型の635号編成のものを利用している。

At 2050 (Schneeschiebär)

At型に改造された2050号編成。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

2005年から訓練車と使用されていたPt型の664号編成だったが、2013年に冬季の雪掻き・融雪車へ改造された。作業車となったため、形式がAt型に変更されたうえ、車番が2050号編成に変わった。スノープラウが増設されたほか、融氷液を塗布するためのパンタグラフが増設された。既存のパンタグラフも氷柱カッターとして使用するために強化された。
フランクフルトの市電車両で唯一、速度リミッターがついていないため事実上禁止されている時速80キロ以上の運転も可能となっている。
普段は夜間作業のみで出庫するため、日中に見ることは滅多にない。フランクフルトの車両では最もレアな車両とされている。

情報ソース

・フランクフルト市電保存会
・元運転手だった同僚
・VGF, "Frankfurter U-Bahn: Rückgrat der Mainmetropole", 2018, Zarbock GmbH & Co. KG
・VGF, "Die Elektrische: Unterwegs in Frankfurt", 2018, Druck- und Verlagshaus Zarbock GmbH & Co. KG
・VGF, "Mobilität für Frankfurt: 50 Jahre moderner Nahverkehr", 2018, Societäts-Verlag, ISBN 978-3-95542-320-9

関連形式

フランクフルト路面電車At型 | K型 | L型 | M/Mt型 | N型 | O型 | P/Pt型 | R型 | S型 | T型
フランクフルト地下鉄U1型 | U2型 | U3型 | Ptb型 | U4型 | U5型