フランクフルト、車両と人員不足で馬車代走
昨今どの地域でも問題になっている人員不足や車両不足。フランクフルトでは対策として、馬車を新規導入する様子。
現在でもすでに人員不足の影響で減便ダイヤとなっており、U5及び市電14号線では区間運休も行われている。減便により改善されるかと思いきや、引き続き突発的な運休などが目立つ。加えて、車両基地でメンテナンスを行う人員も人手不足が目立っており、車両整備が追い付いていないため列車が足りなくなってしまっている、極めて厳しい状況。本数を減らしてから2か月ほどたった4月1日、減らない運休本数を抑えるために馬車による代走運転が行われることが決まった。
保存されている167号客車のほか、新規に馬車用の客車が39台導入される予定だった。新たに加わった車両は複数客車を連結できるしようとなっており、キャパシティも十分確保されている。なお製造会社は納入遅れで有名な会社ともあり、今朝の時点でまだ半分の20両しか届いていないとのこと。納入遅れのお詫びとして、他の地域でもよく見る「無料で追加の一両」が製造されるため、保存車と追加分を含めると41台となる。フランクフルトではU5型に続いて2例目となる。
車両の進行方向を変えずに済ますため、両方の終端がループ線となっている12号線を中心に運転される。なお西の終端直前の森林区間は通常では時速60キロでの走行を行っており、馬車では走行時間を保てないため、一部時間帯の運用は所要時間が延びる。代わりに、ラッシュ時間帯となる朝方7時台と8時台及び16時から18時台には、2本に一本が一部の停留所のみに停車する急行としての運転が行われる。
しかしながら、すでにラッシュのピークを迎えた7時半現在、一部の馬が疲労によって運用から外されており、再び運休に追い込まれている様子。特に森林区間の高速走行が体力の消耗につながったとのこと。また、客車を連結した運用では牽引する重さが倍以上となっているのも原因のようだ。
車両不足、人員不足に加えてここで新たに馬員不足。特に馬働組合から、馬働環境の改善を求めるためのストライキも予告されており、再び厳しい状況になる可能性が高いと予想される。また、運用を離脱して休憩に入った馬たちは、牽引していた客車をそのまま線路上に放置したため、他の車両が通過できなくなり渋滞が発生しているようだ。運転再開まではしばらく時間がかかると思われるが、運行会社によると「このままでは以前よりひどい状況になるため、馬車の運転を今日限りで取りやめる」とのこと。
導入された馬車の一部は庭の小屋としての再利用に向けて、後日販売を検討しているという。半数ほどにあたる22台は、地下鉄の入り口のモニュメントとして再利用する計画がたっているそうで、全ての車両が車庫でしばらく管理される見込みだ。
地下鉄の入り口として再利用される馬車は、車体を斜めに切断して入り口部分の屋根として使う予定とのこと。すでに Bockenheimer Warte 駅の入り口に似たようなコンセプトとなる様子。なお納入遅れの関係上、まだ届いていない20両はすでに工場にてカットして搬入される可能性が高い。
なお167号車は引き続き保存車として今後もフランクフルトの交通博物館で見学できるという。
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