Frankfurt T-Wagen (Alstom Citadis X05)
基本情報
フランクフルト市電の最新型となるT型は、旧型車両の置き換えと輸送力増強の目的で2022年から導入された。USB充電プラグや液晶モニターなどの最新設備を搭載しており、たった数駅の乗車でもより快適に過ごせる車両となった。
製造年: 2022-
製造会社: Alstom
製造数: 58 (T30: 24, T40: 34)
改造年: -
廃車: -
運用開始: 2022
運用終了: -
編成両数: T30: 3両編成24本, T40: 4両編成34本
編成: T30: A-C-B / T40: A-C-D-B
台車配列: Bo'2'2'Bo'
軌間: 1435mm
全長: T30: 31,5m / T40: 40m
車幅: 2,40m
車高: 3,55m
最高運転速度: 70km/h
最高設計速度: 70km/h
利用する際のお得な情報
両先頭車にバリアフリーゾーンが設置されている。ほかの車両と比べて揺れが少なく安定した走行で、走行音もさほどうるさくない。
製造経緯と歴史
Pt型及びR型の置き換え及び輸送力増強のために2017年に競争入札が開始された。開始当初は38編成の導入計画だったが、最新の計画では58編成まで数が増えたほか、30m版と40m版の2種類に増えた。40m級の路面電車形式は当形式が初となるため、一部電停の延長工事が2022年後半より行われている。
両パターンとも2020年に導入されるはずだったが、Alstom社お馴染みの製造遅延により、T30の第一編成がフランクフルトに到着したのは2022年3月だった。
訓練や試運転を重ね、2022年12月のダイヤ改正から一部の運用にて営業運転に就く(検査時は別形式で代走)。
車両構造
大部分がバリアフリー構造となっている。座席配列は2+2となっているため、だいぶ狭い。シートピッチもかなり詰められた感じとなっており、ボックスシート部分も窮屈になる。その分バリアフリーゾーンは開放的な広さで補助席が複数設置してある。
フランクフルトでは初めて液晶型ディスプレイを採用(正常に作動するとは言っていない)。また扉部分には色付きLEDが組み込まれており、ドアボタン操作可能な時に緑色に光る(正常に作動するとは言っていない)。ドア故障や閉まるときには赤く光る(正常に作動するとは言っていない)。
車内の色基調は既存車両とほぼ同じで、U5型と比較すると壁の白色がやや明るくなった。
改造
登場したばかりのため、今のところ目立った改造はされていない。
各仕様の違い
T30
3両編成版。T30と名付けられているが、実際の長さは31,5m。2022年から製造され始め、合計24編成が登場する予定。
T40
今後導入される4両編成版。2020年に搬入されるはずだったが現在では予定が不明。
中間に1モジュール追加されている。中間車同士は構造が全くの別物のため、綺麗な線対象にはならない。
特殊編成
Europa (305号編成)
305号編成はプレス公開に使用された編成で、特別ラッピングが施されたほか、「Europa」の名前がついた。
在籍状況
2023年4月現在、フランクフルトには302号編成、305号編成と307号編成のみが到着している。302号編成は主に訓練車と試験車として使用されている。プロトタイプでもある302号編成と量産編成である305号編成/307号編成ではすでに変更点が細かい部分で存在するため、近いうちに302号編成が一度工場に送り返されるものとみられる。
運用情報
2023年5月現在、305号編成と307号編成が営業運転に入ることができる。5月上旬現在、入る運用は平日の11号線と17号線で、運用は4月下旬よりランダムとなっている(以前は固定の運用があった)。両運用ともほかの形式が入る場合もある。
2023年4月29日より土曜日ダイヤ、4月30日より日曜ダイヤでも運用に就くようになった。5月上旬現在では、16号線と18号線で運転されている。
情報ソース
・フランクフルト市電保存会
・VGF, "Frankfurter U-Bahn: Rückgrat der Mainmetropole", 2018, Zarbock GmbH & Co. KG
・VGF, "Die Elektrische: Unterwegs in Frankfurt", 2018, Druck- und Verlagshaus Zarbock GmbH & Co. KG
・VGF, "Mobilität für Frankfurt: 50 Jahre moderner Nahverkehr", 2018, Societäts-Verlag, ISBN 978-3-95542-320-9