Frankfurt N-Wagen (Düwag GT8)
基本情報
フランクフルト初となる8軸連接車両のN型は、M型とほぼ並行して導入された大型車。中間車を組み込むことで定員を増やし、一本の列車で運べる乗客数を一段と増やした。
製造年: 1963
製造会社: Düwag
製造数: 30編成
改造年: -
廃車: 2004
運用開始: 1963
運用終了: 2004
編成両数: 3両編成30本
編成: A-C-B
台車配列: B'2'2'B'
軌間: 1435mm
全長: 26,215m
車幅: 2,32m
車高: 3,185m
最高運転速度: 70km/h
最高設計速度: 70km/h
利用する際のお得な情報
112号編成は保存会が動かしている車両の中でも最も稼働回数の少ない車両。当形式が臨時運用に入る際には必見。
製造経緯と歴史
すでに導入されていたM型の1次車の評判がかなり良く、M型の2次車を発注する際に同時にN型が30本発注された。
既存のM型をベースとしているため、主な違いは当形式で初採用となった中間車のみと言える。
車両構造
連接構造で、3両1編成で組まれている。車内はM型同様、深緑の合皮シートで、2+1配列となっている。
片運転台・片扉仕様で、車両後方には簡易運転台が設置されている。なお、中間車には扉が設置されていない。
改造
1975年に誕生したM型の600号編成は、本来はN型の805号編成だった。分岐カーブで脱線転覆した際に中間車の破損が復旧困難だったため、中間車部分を取り除き両端を復旧させて短縮した。
808号編成と817号編成はそれぞれ別々に事故で大破しており、両編成の修復可能な部分を継ぎ足して817号編成(二代目)が誕生している。なお、2004年11月にフランクフルトで営業終了することが分かっていたうえで、2004年1月に当修復工事を行っている。
各仕様の違い
特筆できるような仕様の違いは存在しない。
特殊編成
801号編成と802号編成は後に登場する地下鉄車両向けの可動ステップ試験車両として扉周りが他とは異なる状態で搬入された。1960年代後半にほかの車両と合わせる形で撤去されたため、残っている資料は少ない。
在籍状況
フランクフルトには112号編成(元812号編成)が動態保存されている。動態保存されている編成は保存会のイベントや臨時運転に使用される場合がある。
フランクフルトでの運転終了後、一部車両は東欧の複数の街に譲渡された。主にポーランドのポズナンに売却され、現在でも走行している。
運用情報
当形式の定期運用は2004年に終了しており、現在は動態保存されている編成は保存会のイベントや臨時運転に使用される場合がある。
過去には市内の各路線で運用された。1984年まではka型が併結して運用されていたこともあったが、編成長が長すぎて一部の交差点が封鎖された事案等を受け、併結運用は消滅した。のちに連結棒が撤去されている。
情報ソース
・フランクフルト市電保存会
・元運転手だった同僚
・VGF, "Frankfurter U-Bahn: Rückgrat der Mainmetropole", 2018, Zarbock GmbH & Co. KG
・VGF, "Die Elektrische: Unterwegs in Frankfurt", 2018, Druck- und Verlagshaus Zarbock GmbH & Co. KG
・VGF, "Mobilität für Frankfurt: 50 Jahre moderner Nahverkehr", 2018, Societäts-Verlag, ISBN 978-3-95542-320-9