BR101

Photo by: NITS-Center

基本情報

先代機関車となるBR103の経年劣化が激しかったことから、1990年代初頭に新型機関車の導入が急がれた。急ピッチで開発されたInterCity牽引機が当形式となる。

製造年:  1995-1999
製造会社: Adtranz
製造数:  145
改造年:  2023
廃車:   2021-
運用開始: 1996
運用終了: 2025年予定

台車配列:   Bo'Bo'
軌間:     1435mm
全長:     19,1m
車幅:     2,95m
車高:    
最高運転速度: 200km/h (220km/h)
最高設計速度: 220km/h

利用する際のお得な情報

RealTrainModでも利用可能。詳しくはこちら

製造経緯と歴史

先代機関車となるBR103の経年劣化が激しかったことから、1990年代初頭に新型機関車の導入が急がれた。特に東西ドイツが統合されたタイミングで高速域の車両が不足したため、増備が必須となった。Siemens/Kraus-Maffei によって製造されたBR127、AEG によって製造されたBR128、ABB Henschel によって製造されたBR120の改良版(計画段階ではBR121)の3種類がベースとして検討された。ABB Henschel が当形式の製造となり、他の2社はBR145とBR152の開発を代わりに行うこととなった。なお ABB Henschel は初号機の製造時にすでに Adtranz に吸収合併されているため、製造プレートも Adtranz のものがついている。
製造するにあたって、InterCity客車列車が近いうちにInterCityExpressによって置き換わると見込まれたため、客車牽引から退いても貨物列車牽引向けの対応が必須だったとされる(InterCargo計画)。実際に貨物牽引の運用に就いた実績もある。
1996年に納入された初号機及び最初の3両はオリエントレッドの塗装で搬入された。後にほかの車両と同じく現行の交通レッドに塗り替えられている。

車両構造

BR120及びBR401をベースに製造されており、進行方向右寄りな運転台やBR401ベースに開発された台車等に共通点が見られる。先代のBR103の卵型の構造は開発コストを無駄に跳ね上げるため、3次曲面をなるべく避けたデザインとなった。車両の構造的に先頭部分がこれ以上しぼめられなかったのは、機関車と客車の間に生まれる空間による空気抵抗を減らすためとされている。

改造

2009年12月ごろに、047号機のフロントライトが箱型LEDに改造された。凍結防止にヒーターも取り付けられたが、試験のみで終わり元のライトに戻された。

各仕様の違い

Metropolitan対応車両

Photo by: NITS-Center

Metropolitanの編成は普通の客車とは違う制御方式だったため、130号機、131号機、124号機と126号機が改造された。塗装変更もされたメインの牽引機は130号機と131号機で、124号機と126号機はほかの車両と同じ赤い塗装で補機として扱われた。MetropolitanがICEとして扱われるようになるとともに塗装が赤に戻されたが、2021年12月の引退までメイン牽引機として活躍した。
なお、制御方式が変更されたとは言えど、上記4機は通常の客車も引き続き牽引できた。逆に通常車両がMetropolitanを牽引することはできない。

特殊車番

101 001 (DB Museum / AKE Rheingold)

DB博物館所属となった。2023年夏ごろにRheingold客車に合わせたカラーリングに塗り替えられたが、保存車として今まで存在したことのないカラーリングにしたことで鉄道マニアの間ではかなりの議論となった。

左右でデザインが違った003号機。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

101 003 (Design & Bahn)

DB博物館の特別展示に合わせて広告ラッピングが行われた。2021年9月21日から2022年11月9日まで奇抜なデザインで走行した。

黄緑なので遠目にFlixtrainと間違えることも。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

101 005 (DEVK)

保険会社の広告ラッピング。2022年1月11日より黄緑色で走行しており、遠めに見るとFlixtrainにも見えてしまう。
側面に大きくあるQRコードは読み取ると機関車のラッピングにまつわる特別ページに飛ぶことができる。

帯の高さも客車に揃えられた。塗装変更後の1番列車。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

101 013 (50 Jahre InterCity)

InterCityの50周年を記念して、2021年9月22日より客車と同じカラーリングとなった。ほかの車両と比べて、この車両は塗装となっており、全検と同時に塗装変更となったことから廃車までこのカラーリングで走ること思われる。

赤から青に変更されたRDCの101。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

101 027 / 101 031 (RDC)

2023年初頭にDBからRDCへ移籍した車両。塗装が青に変更され、027号機は前面のロゴ横にDB時代と似たような白のラインを纏う。

ラッピングの再現。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

101 051 / 101 128 (TCS)

2023年5月にDBからTCS (Train Charter Service) に移籍した2両。登録車番はそのままだが、内部向けの車番は形式番号も変わって 103 001 / 103 002 となった。なお2023年10月に033号機と133号機が移籍しているが、こちらはラッピングの変更などは行なわれていない。

CEE運行時にラッピングされた。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

101 057 (Europa)

Connecting Europe Express のイベントとともに登場したラッピング車両。406 001 と同様、白いボディにヨーロッパブルーの帯を纏う。なお当初は側面窓周りのラッピングが忘れられたのか、ベースの赤い塗装が見える部分があった。2021年9月26日に登場しており、013号機とほぼ同時に登場したことから沿線には多くの鉄道ファンが見られた。

オリンピックに合わせてラッピングされた。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

101 071 (Zeit für Gold)

オリンピックに合わせてラッピングされた。2018年1月29日から2020年12月25日と比較的長めの掲載だった。

ザクセン州の蒸気機関車PRラッピング。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

101 088 (Dampfbahnroute Sachsen)

ザクセン州の蒸気機関車に関する広告ラッピング。側面にはBR99が描かれている。2021年11月30日から2023年7月6日までこのラッピングで走行した。

TEEをモチーフにした記念ラッピング。1エンド側はICカラー。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

101 110 (50 Jahre InterCity)

InterCityの50周年を記念して、2021年10月28日から運行開始された。1エンド側がICカラー、2エンド側がTEEカラーをモチーフにしており、側面には歴代の機関車や電車(TEE側:BR103/BR120/BR101・IC側:IC制御客車/IC2制御客車/BR4110)が描かれている。

TEEモチーフのRheingoldラッピング。クリックで拡大 Photo by: NITS-Center

101 112 (Rheingold)

2020年ごろまでTEE-Rheingoldカラーのラッピングをまとっていた。電気系統の故障により休車され、2021年9月25日に解体された。ラッピングはほかの車両に引き継がれなかった。

在籍状況

トップナンバーでもある001号機が2023年1月4日付でDB博物館所属となり、臨時列車の牽引などで活躍している。
そのほかの車両は通常運用に就いているものの、牽引する列車の本数が減少傾向にあることから、遭遇できる機会は減りつつある。特に週末は車庫にいる車両数のほうが多い。
一部車両がRDCに売却され、夜行列車などの牽引に就く。027号機、031号機、071号機が移籍したことが確認済み。また、033号機と133号機は2023年10月、051号機と128号機は2023年5月にTCSに移籍した。
すでに廃車済みの車両もあり、休車中の車両も複数いる。
以下、解体された車両のリスト(2024年2月29日現在、解体された車両数は22両)
101 025-5: 2022/10/07
101 029-7: 2022/08/31
101 041-2: 2024/02/26
101 044-6: 2024/02/28
101 053-7: 2024/02/23
101 058-6: 2022/03/18
101 092-5: 2021/12/06
101 102-2: 2024/02/21
101 105-5: 2021/12/17
101 106-3: 2022/03/17
101 108-9: 2022/03/15
101 112-1: 2021/09/25
101 113-9: 2022/06/15
101 119-6: 2021/09/25
101 122-0: 2021/12/21
101 123-8: 2023/08/21
101 124-6: 2024/02/27
101 129-5: 2022/08/25
101 140-2: 2021/12/20
101 141-0: 2022/08/29
101 142-8: 2022/08/27
101 143-6: 2024/02/29

運用情報

主にICやECの牽引を中心に、ICEの牽引回送などにも充当される。DBから売却された車両は各会社の列車にて運行している。RDCは主に北部ドイツと南ドイツ・スイス・オーストリーを結ぶカートレイン付きの寝台列車の牽引に使用されることが多い。TCSはケルン近郊を中心に、臨時列車の牽引を行う。

情報ソース

・業務上の知識
・BR-101.de: http://www.br-101.de/ 最終閲覧:2023/06/12

関連形式

ICE (Inter City Express)ICE 1 (BR401) | ICE 2 (BR402) | ICE 3 (BR403/BR406) | ICE-T (BR411/BR415) | ICE-TD (BR605) | ICE 3 (BR407) | ICE 3 (BR408) | ICE 4 (BR412) | ICE-MET (Metropolitan) | ICE L (Talgo / BR105)
IC (Inter City)IC1 (客車 | BR101 | BR103 | BR112 | BR120 | BR218) | IC2 (Twindexx) | IC2 (BR4010/BR4110)