ネルトリンゲン近郊、人員不足で大幅運休
4月から当面の間、18時以降の列車が運行できなくなる様子。人員不足の改善の見込みがない長期間の制限は今回が初めてか。
線路や信号所などのインフラを管理するDBInfraGo社が、Nördlingen近郊の信号所が人員不足の影響で、2024年4月から当面の間、18時以降の列車が運行できなくなると発表。この地域はまだかなり古い腕木信号機などが使われ続けており手動操作で行われているため、各交換駅に人員が必要となる。このような大規模な人員不足はほかの地域でも発生しているが、改善の見込みがない長期間の制限は今回が初めてか。
当問題を解決するにあたっては、2つの変化が必要となる。
1つ目はもちろん、人員を補うことである。無論、2月に発表して4月までに人員は確保できないので事態の改善は確実にかなり先の話になってしまうが、今後退職する人が増えていく中、どちらにせよ行動に起こさねばならない点ではある。
2つ目は、信号システムをデジタル化すること。Nördlingen周辺の地域はかなり長距離に渡って、デジタルほど遠隔操作のできないアナログな機械で信号操作を行っている。特にNördlingenの北側に位置する踏切に関しても、現地にある踏切小屋からの手動操作を行っているため、ここにも人員が割かれる。これらすべてを一括制御が可能なデジタル制御に切り替えることによって、よりスムーズで安定した運行が可能となるほか、列車の本数を増やしたり運行間隔を増やすことが可能となる。特に長距離列車の迂回区間としても使用されることの多い区間でもあり、手動踏切などを撤廃することによって徐行区間を減少させ、速達性を向上させることもできる。
しかしながら、実際にはどちらとも計画自体の進捗がイマイチであり、当分は夜間運休という事態を受け入れるしかないと思われる。当区間にてRB89の運行を行うGoAheadによると、バス代行の設定は計画しているとのことではあるが、リース地方の道路網的にも鉄道と比べると所要時間が大幅に伸びてしまう。
なお、Nördlingenには蒸気機関車や旧型車両を集めた大きな保存会があり、定期的にイベントが開催される。特に夜間イベントは人気だったため、SLイベントにも影響は少なからず出ると思われる。毎年5月の4連休に開催される蒸気機関車祭りも各地からの臨時列車が発着していたが、制限がかかるとなると一部地域からの臨時列車は時間の制約の関係上、難しくなってしまう可能性もある。
現時点では当面の間と告知されている制限。果たしていつまで続くのか、そして通常の営業列車と保存会の列車にどれほど影響が出るのか、注目していきたいと思う。
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