ドイツ全域に影響する大規模な工事が複数。※イメージ画像・2021年4月撮影

7月以降の大規模工事一覧

例年通りであれば夏休み期間中に集中的に線路工事が行われるが、今年はサッカーリーグ開催の影響でずれ込んだ作業計画。ケルン、フランクフルト、ハンブルグだけでなく、ドイツ全域に影響すると言っても過言では無い次元で、数か所にて大規模工事が行われる。以下、開始日順にリストアップ。

下記に掲載するのは長期にわたって長距離列車(ICE、IC、ECE、EC)に影響するもののみであり、中距離列車や市内交通の大規模工事は記載しないものとする(多すぎるためすべてを網羅することが極めて困難。一部の封鎖はXの投稿にて紹介予定)。

主な影響地域:
・Rhein-Main(フランクフルト近郊)
・Rhein-Neckar(ハイデルベルグ、マンハイム近郊など)
・ケルン近郊
・デュッセルドルフ近郊 (デュッセルドルフ以北方面の幹線)
・Köln - Frankfurt 高速線 (ケルン-スイス線などの南北幹線)
・Mannheim - Frankfurt 線 (ケルン-スイス線などの南北幹線)
・シュツットガルト近郊
・ハンブルグ近郊 (ハンブルグ以南方面、北東方面の幹線)
・ベルリン近郊
・Berlin - Halle 高速線
・Berlin - Hamburg 高速線
・Berlin - Frankfurt(Oder) 線 (ポーランド方面幹線)
・Eisenach - Erfurt 線 (フランクフルト-ライプツィヒ線など東西幹線)

Frankfurt - Mannheim: 7/15 - 12/14

ルート検索に反映済み代行ルートあり

5か月に渡り、Frankfurt - Groß-Gerau - Biblis - Mannheim の区間が完全封鎖。迂回ルートは Frankfurt - Darmstadt - Mannheim/Heidelberg または (Frankfurt -) Mainz - Worms - Ludwigshafen - Mannheim となるが、両路線ともキャパの増強が厳しく、多くの便が運休となる。特にパノラマカーを連結したECは全面運休となる。上記区間に該当していない、スイス方面の区間やケルン方面の長距離列車の本数がかなり減るほか、一部列車にて経路変更が行われる。フランス方面のTGVとICEはほとんどがマンハイムまたはハイデルベルグ始発となる。

Frankfurt - Darmstadt - Mannheim経由で迂回運転を行う列車は本来の所要時間40分に比べて倍に近い時間をかけて走行する場合もあり、事前に計画が必須となる。なお中距離列車や近距離列車においても、行先変更や区間運休などが予定されている。こちらに関しては、今年の1月に行われた工事の際に紹介した変更とほぼ同様の扱いとなるが、こちらも再度変更が行われたものもあるので、事前チェックを推奨する。

撮影者向け情報: 普段は入線しないTGVをハイデルベルグで撮影できるなどの行先変更を楽しむ手段もあるが、7月15日の便をもってパノラマカーのドイツ国内運用が終了することに着眼する必要がある。工事終了後も復活する予定はないため、これで完全に見納めとなる可能性が高い。またこの工事のためだけに Hofheim(Ried) - Bürstadt ローカル線が電化され、Wormsから直通する電車編成で運転される予定。こちらの電化区間は大規模工事終了後に架線を撤去し元の非電化区間となるため、5か月の命となる。

Hamburg - Harburg: 7/15 - 8/12

ルート検索未対応代行ルートあり

急遽決まった線路工事のため、Hamburg中央駅とHarburg駅間の線路が2本を除いて封鎖。旅客列車は当区間にて減便されるため、Harburg以北からハンブルグを超えて運転される列車にも影響が出る見込み。5時から21時の間に通過予定の列車は所要時間延長や一部区間運休となる見込み。21時から翌5時までの間はほとんどの旅客便が上記区間を通過できず、打ち切りとなる見込み。なおHamburg中央駅とHarburg駅間は並行してS-Bahnが走っており、場合によっては乗換が必要となる。

どの路線及びどの便が運休になるかはまだ公表されていないため、詳細情報が入り次第こちらの情報を更新予定。なお6月末現在の段階では検索結果に反映されていないため、ブッキングに際して注意が必要となる。

撮影者向け情報: 貨物列車は日中時間帯に抑止となり、旅客列車の運転が大幅減便となる夜間時間帯での運転となる。期間的にはまだ明るい時間帯もあるので、沿線に立っているだけで貨物がかなり流れてくる可能性が高い。とはいえ、上記区間の沿線は防音壁に囲まれている区間が多いため、撮影するなら駅撮りをお勧めする。なお貨物は中央駅を通過しないルートが多いため、Harburg駅付近で構えたほうが良いと思われる。

Frankfurt - Köln: 7/16 - 8/12

ルート検索に反映済み代行ルートあり

フランクフルト中央駅から空港を経由してケルンを高速で結ぶルートも工事の影響で一か月ほど全面封鎖となる。また、フランクフルト空港駅(長距離列車ホーム)は駅構内の工事の影響で一部期間使用不能となる。フランクフルト中央駅から空港駅はS-BahnやREが走行しているため、そちらにて振り替え乗車を行う。なお大幅に本数が減少するため、乗車予定時には座席の予約を強く推奨する。Siegburg、Montabaur、Limburg南駅は列車代行バスによってアクセスとなるが、こちらも所要時間が大幅に増えるほか、運転される本数がかなり少ない。

列車は以下の通りで運転される予定
・国際線(オランダ・ベルギー線)はほとんどがケルン以西の運転となる。フランクフルトまで運転される列車は迂回運転を行うことにより60分ほどの運転時間増加。7月29日までフランクフルト空港駅は通過となる。
・Dortmund - Frankfurt - Würzburg - München 便はほとんどの列車が迂回運転となり、90分ほどの運転時間増加となる。7月29日までフランクフルト空港駅は通過となる。なおフランクフルト以北のラッシュ増発便は運休となるため、基本的に本数が大幅に減る。
・Hamburg - Köln - Mannheim - ドイツ南部/スイス方面の便はフランクフルトを経由しない迂回ルートとなる。Mainz経由での運転となり、40分ほどの運転時間増加での運行となる。
・オーストリア方面の便はケルンからフランクフルト間にて区間運休となり、フランクフルト以東及びケルン以北での分断運用となる。

撮影者向け情報: ライン川沿いの両ルート(ライン左・ライン右)は共にキャパの限界に近く、今回の迂回経路の影響で限界突破しかねないので列車の本数がかなり増加する可能性がある。

Duisburg - Oberhausen: 7/19 - 8/2

ルート検索未対応代行ルートあり

Duisburg中央駅の工事の影響で、ほとんどすべての列車が迂回運転となる。以前のイースター休暇時の迂回運転と似た状態の運行予定となっているが、一部列車の変更などの細かい部分で変更が見られる。

撮影者向け情報: 迂回運転の影響でほとんどすべての長距離便がWuppertalを経由するため、モノレールとの並走を撮影しやすくなるチャンス。

Berlin - Frankfurt(Oder): 7/23 - 8/6

ルート検索未対応

DB公式より詳細情報が明らかにされていないため、列車の運転変更が不明。

Berlin - Halle: 7/26 - 8/16

ルート検索未対応

DB公式より詳細情報が明らかにされていないため、列車の運転変更が不明。

Stuttgart近郊: 7/27 - 9/6

ルート検索に反映済み代行ルートあり

S-Bahnトンネル工事の影響で、S-Bahnの中央駅発着が地上ホームとなる。迂回運転も行われるため、一部区間にてキャパが足りなくなる。そのため、Stuttgart - Zürich 間にて運転されるIC路線は中央駅とVaihingen間にて運休、Vaihingen折り返しとなる。

撮影者向け情報: 今回のトンネル封鎖がおそらく最後となる見込みのため、S-Bahnを地上ホームで撮影できる機会は大幅に減ると思われる。S-Bahnは1番線から5番線の発着となる予定。

Erfurt - Eisenach: 8/2 - 11/24

ルート検索未対応

DB公式より詳細情報が明らかにされていないため、列車の運転変更が不明。

Karlsruhe - Freiburg: 8/10 - 8/30

ルート検索に反映済み代行ルートあり

複々線化工事のため、RastattからBaden-Baden間が封鎖。列車はBaden-Baden以南またはRastatt以北の運転となる。RastattまたはKarlsruheからBaden-Badenへ代行バスの運転が設定されている。なお一部長距離列車はRastattまで運転せずにKarlsruheで打ち切られる便もある。フランクフルト発着のECEはBasel以南での運転となる。シュツットガルト発着のフランス方面の列車はマンハイム経由の迂回運転を行うためカールスルーエに停車せず、40分から90分ほどの運転時間増加となる。

Hamburg - Berlin: 8/16 - 12/14

ルート検索に反映済み代行ルートあり

ハンブルグとベルリンを結ぶ高速線の工事のため、4か月に渡って全ての列車に影響が出る。半数ほどの長距離列車が上記区間で運休となり、残った列車は迂回運転により45分ほどの運転時間増加となる。またRostockとLeipzigを結ぶIC路線も区間運休となり、Magdeburg以南のみでの区間運転となる。工事により停車する列車が無くなる駅は高速バスによる代走運転となる。なおInnoTransなどの大きなメッセ期間中にも影響するため、乗車予定時には注意が必要となる。

撮影者向け情報: Stendal経由での迂回運転となるため、貨物列車以外にICEなどの撮影がしやすくなる。なおチェコECはベルリンで打ち切りとなるため、迂回ルートでの撮影はできない模様。

Hamburg - Schwerin: 8/17 - 11/22

ルート検索に反映済み代行ルートあり

上記区間の工事の影響で、Frankfurt - Hamburg - Rostock - Rügen 便は9月29日までハンブルグ以南のみでの運転となる。9月30日以降はHarburgからHamburg中央駅に停車せずに直接Schwerinへ向かう迂回ルート経由での運転となる。そのため、9月末以降はフランクフルトとハンブルグを結ぶ路線が減少することとなる。なお代行バスによる運転や区間代走ICなどが設定される。

撮影者情報: 代走ICの中でも特殊なのが、ハンブルグから北東方面の救済列車となる。こちらはディーゼル機関車牽引のIC1で一往復の運転が予定されており、Lübeck経由での運転となる。LübeckからRostockに接続するICの設置は実に28年ぶりで、この区間に長距離便が設定されるのはおそらく最後の機会となると思われる。列車番号はIC2263とIC2268。