普段は交通情報やチケットの購入方法などのお問い合わせメールが届くこのページの公開アドレスに、とある取材のメールが一通届いた。すぐに承諾し、収録の日程も公開日も決まり、気づけば公開されていたポッドキャスト。収録の裏側についても少し話したいと思います。
はじめに
時は遡ること2023年11月中旬。9月中旬から10月中旬にかけて日本に行っていた私は、その旅の様子を少しばかりドイツ語でブログに綴った(のちに日本語でも公開)。自分のための記録でもあり、鉄道好きや旅好きの仲間たちに向けて軽く日本の紹介にでも、と思って書いたブログがどうやらドイツの公共放送局の人の目にもとまったようだった。11月の下旬になって「ぜひ日本の鉄道について語ってくれないか」とメールが届き、私も二つ返事で承諾。すぐさまその翌週に収録予定となるも、よりによってその日に限ってストライキで列車が動かず延期。
いざ、収録
ついに収録日となった12月11日。収録と聞いたら皆さんはテレビ局のスタジオを思い浮かべると思いますが、収録場所はなんと私の自宅。音質的に大丈夫かと心配だったものの、いざ放送されたものを聞いてみれば全く問題なさそうで安心した。たまにYouTubeで配信とかしてるから環境整えておいて良かった。机にはマイクが一本。インタビュー形式のトークだったので、1対1で向き合って収録開始。
主に質問を受けて、私がそれに返答する形での対談。割と落ち着いている声に聞こえてるかもしれませんが、実は緊張しすぎてて言葉が出ない。そもそもこれほど日本の鉄道に関して詳しくドイツ語で話すことは今までなかったが故、しょっちゅう言葉が詰まる。というのも、私の脳内を少し文字に起こすとすれば「日本のことだから日本語で考える」「ドイツのことだからドイツ語で考える」の2パターンがあるわけで、それが交差してなかなか頭が回らなかったわけでして。普段ならさほど問題はないのですが、緊張していることと、ここまで詳しく話す機会が無かったから収録の後に一人反省会を開くほどにもっと頑張らないとと思ったり。
お話の内容
なんだかんだで2時間ほどぶっ通しで話しておりました。大半がカットされたわけですが、メイントピックは放送されたものになります。放送された内容のほかにも広島電鉄の車両に関するお話(主に歴史的背景など)や都電や地方電鉄、さらには鉄道の保存の違いなどのことも話していたのですが、そちらはカットされてしまいましたね。私の予想通りではありましたが、やはり日本の鉄道で一番有名なのはSHIN-KAN-SEEEENなわけで、そちらに関するお話が放送の半分ほどでした。ドイツとは違う日本の鉄道の仕組み、主にJRと私鉄の在り方などもトピックとして話しましたが、さすがにこれはニッチすぎたか。
もちろん、話したいことは山ほどあるわけなんですけれども、時間にも制限があってすべてを語ることはできないわけでして。むしろすべてを語ろうとすれば、それこそ自分でポッドキャストを始めるべきだろうとは思う(気力は無い)。それでも、この短い限られた時間で少しでもドイツの方に日本の鉄道にも興味を持っていただけたら、そんな気持ちで話させていただきました。もとより、鉄道好きだけに届けるのではなく、一般の方にも伝わるようにというのが本来の目的でした。あまり細かい業界の話は控え、普通の人でもわかるような表現に言い換えたり説明を挟んだりしたわけです。一つのトピックを深く掘り下げるのではなく、広く浅く、が目的でした。物足りないと感じたそこの鉄道好き、ごめんよ!
今回のこのお話、名義はどうしようかと悩みましたが、結果的には本名で登場させていただきました。ネチケットを守って私をいつも通りのハンドルネームで呼んでくださる皆様に感謝。「NITStrainの名前も載せますか?」と聞かれ、むしろ良いんだと思いながらお願いしました。ただ、企業でも何でもないから一回だけで十分ですとはお願いしましたが。
サムネに関して
サムネは実は私ではどれを選べばいいのかわからず、インタビュアーの方にお任せしました。4枚ほど送り、選ばれたのが長野電鉄の田園風景の一枚でした。ほかの3枚も話した内容に合わせて広島電鉄や都会の風景などを送ったのですが、どうやら私が少しばかり話していた「日本の街と自然が交互に変わりゆく車窓の風景が好き」という部分をピックアップしてくださったようです。撮影地に連れてってくださった柿さん、ありがとう。
最後に
公開されてから私も改めて聞いてみましたが、自分の声を公共放送のページで聞くのもなかなか違和感があるものですね。自分自身、自分の声がコンプレックスなもんだからすでに聞いてくださった方に落ち着いた聞きやすい声と言われて内心ルンルンしてます(ありがとうございます)。
そんな私の怯えた声が配信されているのはこちら: ARD Audiothek "Abenteuer Eisenbahn"
上記のバックグラウンドを読んでいただいた後にもう一度聞いていただくと、少しばかり違った印象になるかもしれないです。
皆さんの感想もお待ちしております。感想メールなどはこちらのアドレスにお願いします!
ドイツ語(MDR公式): abenteuer-eisenbahn@mdr.de
日本語(NITSグループ): info@nits-train.com
皆さんのご要望によっては第2回も実現するかも…?!
2023年最終日に、まさか私が公共放送デビューするとは思ってもいなかったわけですが、貴重な経験でした。自分のために書いたブログが放送局に見られ、オファーが来るとかなかなかレアなシチュエーションだとは思いますが、楽しませていただきました。年末に思い出に残るであろう出来事がまた一つ。
改めて、今年もNITStrainをご利用くださいましてありがとうございました! 来年もまたどうぞよろしくお願いします!