駅前に乗り入れる現役のゴータ車も、ついに終わりを迎えるのか。2023年6月撮影

ゴータ車走るナウムブルグ市電、廃線の危機か

プレスリリースによると、2024年内の運行に必要な予算は確保できたものの、2025年以降は廃止の危機であると報じられた。

ザクセン=アンハルト州の小さな町、Naumburg(ナウムブルグ)。そこにはおよそ2.9キロメートルの距離を行き来する、ドイツ最小の路面電車がある。1959年製の車両が片道13分ほどの路線を往復するのも、2024年に見ることのできる光景とは思えないほどノスタルジックな雰囲気が漂う場所でもある。

鉄道ファンの間では有名な路面電車の町も、ついには過去のものになろうとしている。

2024年2月13日のプレスリリースによると、2024年内の運行に必要な予算は確保できたものの、2025年以降の資金に関する話し合いがまとまらず、廃止の危機であると報じられた。

話し合いはナウムブルグ市、ナウムブルグ交通、ブルゲンランド郡部の3者によるもの。後者の郡部においては赤字の補助を受け持つ意思を発表。条件として、ナウムブルグ市も補助の一部を負担することとされているが、こちらの部分にて意見の相違が発生し、結論なく話し合いが終わったとのこと。

2023年にはおよそ24万人ほどが乗車した市電路線。2023年5月から開始されたD-Ticketによる収入減少なども影響しているとみられるが、およそ6桁ユーロほどの赤字が発生している様子。

市電4号線は現在唯一残っている路面電車線で、かつては環状運転を行っていた町のおよそ半分の距離を走行している。1991年に一度鉄道線が廃止され全てがバス路線に置き換わったものの、1994年には運転を一部区間にて再開。この時に復活し、再整備された区間が現在の路線となる。本来の予定では観光目的で環状線のすべての区間を再整備する予定だったが、この計画は現在は凍結されたままの様子。

4号線の走る区間は駅前広場から町の中心部を半周するルートで、ほとんどの区間で道路に沿って走行する。再整備されなかった区間のように、バスによる置き換えも不可能ではないため、このまま協議の結論が出ないままでは市電の未来が危ういと思われる。

中心部に残る廃線跡。一部区間は線路も撤去されている。2023年6月撮影

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