12月の第2週末はダイヤ改正。毎年なにかが消え、何かが新しく登場する週末は鉄道好きにとっても忙しくなる。今年はドイツの一つの時代が終わるので、ニュルンベルグへ。2023年12月9日のブログ。
ダイヤ改正。いつもいい方向に改善していくとは限らないのでダイヤ改変というべきだろうか。そんなダイヤ情報まとめはこちら。なんとなく小さい変化がたくさんあるイメージ。
そんな中、大きな変化 ー というか、歴史的な引退があるのがニュルンベルグ。x-Wagenの引退によって、ドイツの近距離客車列車が無くなる。かつてはケルン近郊などのルール地方でも活躍したこの形式、元から少数派であったこともあってあまり活躍の場は無かった。ニュルンベルグでも、定期運転は2020年に終わっていたが、2編成だけ通学運用やサッカー臨時などで使用されていた。
朝の4時に出発して夜の7時に帰るというハードスケジュール。行きの列車も帰りの列車も10分ほど早着。なにごと?
到着して最初に出会ったのは...ダイヤ改正から営業運転を開始する新型車両! 本格的な運行開始は12月10日だが、なぜか前日にも走っていた。いや、そこにいたと言ったほうがいいのだろうか、ドア故障で50分遅れになった挙句、結局発車できずに運休。シーメンス君...?
x-Wagenが思いのほか早く入線し準備されたので、私は一本前の列車でDutzendteich駅に先回り。
練習がてらICEを撮影。なんでよりによってラッピング編成なんだよ。こちら、鉄道会の女性の活躍をプレゼンしている Female ICE と呼ばれるキャンペーンです。
ICE4、全体像で見ると個人的にはあまり形状が好きなわけではないのですが、ある一定の角度やカットではかっこよく見えるこの謎はなんなんでしょうね。本数が増えすぎて見慣れたのもあるか。
本番が到着。ラストランのサボもつけて入線してきたのは、まもなく検査切れとなる4両編成。色もだいぶあせてはいるが、これがまた寂しげな雰囲気を醸し出しており、別れの撮影にはちょうどいいのかもしれない。
今回の編成:
D-DB 50 80 80-33 199-6 Bxf796.4
D-DB 50 80 20-33 273-2 Bx794.4
D-DB 50 80 20-33 278-1 Bx794.4
D-DB 50 80 20-33 269-0 Bx794.4
D-DB 91 80 6 111 024-6
今回の運用回し:
57853 Nürnberg Hbf - Altdorf
39612 Altdorf - Roth
39623 Roth - Altdorf
57854 Altdorf - Nürnberg Hbf
これの何がすごいって、臨時運転扱いでは無くて定期列車扱いなことですよ。最初と最後はニュルンベルグ中央駅でRoth方面の接続を乗換扱いで真っ二つに分けたんですよね。通常利用者さんがかわいそう。あとデータ上の編成の向きが逆。
雪の残る終点、Altdorfに到着。沿線には撮影者が多く、一か所に50人ほど集まってた。日本みたいな撮影現場の雛壇。車内から見てた人たちは笑ってた。私は引いてた。
さて、ニュルンベルグのx-Wagenは基本的には143型で牽引されていましたが、引退後には111型が牽引しており、この日も024号機が担当。x-Wagenと111型のコンビネーションはルール地方ではよく見かけることができましたが、撮影できたのは私も今回が最初で最後でした。
折り返しが30分もあるので、存分に車両を記録。
ほかの方々が外で撮影している中、私は資料集めがてら車内を記録。3Dモデル作ろうとしてますねそこのしゅうさん?
車内はぱっと見、普通の近郊型列車と変わりないのでこれが電車ではなく客車列車だとはなかなか思えない。この車両の特徴といえば、ヒーターが座席の下ではなく窓の下だというところでしょうか。窓縁に腕を置いているとそこだけ暖かい。
残雪の中、Feucht駅を出発していく編成を記録。Dutzendteichの撮影と比べると、まるで秋と冬の二回に分けて撮影に行ったように見えなくもないくらい周りの風景が違う。
この列車の担当乗務員たちも鉄道好きな方々なのか、ラストラン放送や記念乗車券配布など、心こもった素敵なさよなら運転にしようと努力している部分が良く見えました。本当にありがたい。
後続の列車で中央駅へ。
しゅうさんどうせ撮影だけでしょと思ったそこの方。
えぇ、行きましたとも。
ニュルンベルグに来たならちゃんとニュルンベルガー食べないとだし、Lebkuchen Schmidt にも寄らないとだし。ちゃんと行きましたよ、あの人混みの中。というかなんでドイツ語より日本語が聞こえてくるのさ。
中央駅に戻って入線を記録。
この角度、さほど撮影に向いていないように見えますが、個人的にはどうしてもこの角度で撮りたい理由があって...
当時まだ撮影技術とかダメダメだった2019年の一枚。このころはまだ定期運用で走っていたx-Wagen。
実はこのころはまだドイツの鉄道に関する知識どころか、興味もさほどなかった自分。とりあえず記録しておくかくらいの気持ちで撮った一枚がこうして思い出になるとは思いもしなかった。
私がドイツの鉄道に興味を持ち始めたのはこの翌月にマンハイムでDüwagに出会ってから。このお話はまた別の機会にゆっくり。
さて、2023年に戻りましょう。
世代交代。少し遅れていたことによって、ぎりぎりこの離合も撮影できた。
実は新しい電車編成の運用はx-Wagenで運用されていたころと比べて加減速が劣っているのでダイヤに余裕があり、この日のx-Wagen運用も時間に余裕があったのかかなり低速で走っていました。じゃあ遅れるな。
中央駅に折り返してくるまで1時間半ほど余裕ができた私。なんか偶然近くにあったDB博物館に突撃してきました。
私は普段から無料で入れちゃうんですが、この日はどのみち無料開放日だったので、すんなり入れました。てっきりみんなクリスマスマルクトに行ってるかと思いきや、家族連れがたくさん。逃げながら軽く一周。
中央駅に少し早めに戻ってスタンバイ。
本来ならS-Bahnは1番線から3番線ですが、最終運用で入庫に向けて5番線到着となっていました。
先にICEの入線。やっぱさっきも言ったとおり、かっこよく見える瞬間とかっこ悪く見える瞬間がある気がする。
最後の入線。
望遠レンズでよかった、だいぶ遠くでも記録できてる。普段なら1番線に猛スピードで入線するところを、大胆に5番線まで一気に転線してくる。これもなかなか見ることのない光景だったのではなかろうか。
ホーム上の撮影者は5人ほど。あれ、みんなどこ行ったんだろうと思ったら...
そ こ か よ
いやマジで乗らなくてよかった。どんだけ詰まってるんだよ。思ったより人多すぎてびっくりしたわ。
こんな感じに最後の定期運用が終了。このあと入庫のために折り返すのは知っていたので、このまま待機。
最後の入庫は、レア幕のNorisring表示で出発。
警笛もたっぷりと鳴らしてくれたり、ホーム先端まで徐行で出発したりと最後の最後まで楽しませてくれました。
カメラと共に携帯で動画も撮影しているので、後日編集してアップしようかな。
ラストランは最後の最後まで見送る。024号機もこのまま一緒に廃車になるのかはわからないが、3ドア客車とともに走るのはこれが最後なのは確実だろう。
なかなか記録できていなかったx-Wagen、ドイツ国内で最後の運用の日にたんまりと記録できたのは本当にありがたいことです。
このあとは帰りの列車に2時間半揺られながらフランクフルトへ。朝が早かった分、かなり眠かったものの、なぜか途中駅もフランクフルトも10分ほど早く到着したので乗り換えがスムーズにできたのがありがたい。いつもこれくらいでいいんだよ?