1月の上旬に、とあるフォーラムにマグデブルグの旧型市電が引退することに伴ってイベントが開かれるとの告知があった。しかしながら、日帰りで行く予定のイベントはストライキと被る。1月27日から29日にかけて旅したブログ。

家のPCとにらめっこしながら、「ふーん、でもフランクフルトからはだいぶ遠いからなぁ...」と思っていたわけですよ。次の瞬間にはICEの往復チケットがスマートフォンにロードされていた。あれ...?

さて、ご存じの通り私も未来予知ができるわけが無く。チケットを取った翌日、ストライキが予告されたわけですね。
「じゃあ仕方ないか、諦めよう」
ピロン♪
「有給休暇の申請が通りました」
あれ...???

さて、本来は日曜日に日帰りだったわけですが、そんな突発旅行もストライキで2泊3日に伸びたわけですね(いつの間にかホテルも予約してるし)。
本来のルートは Frankfurt - Halle - Magdeburg / Magdeburg - Halle - Frankfurt。これが変更した予定だと一旦は Frankfurt > Hannover > Braunschweig > Magdeburg / Magdeburg > Erfurt / Erfurt > Frankfurt に変更されたわけですね、あとでまた変わるんですけど。

ストライキ中だし道中は特に何も面白いものは無いでしょ、せめてBraunschweigのRailAdventureの基地かなぁくらいに思いながらICEに乗車。ストライキ中で列車の本数が少ないから、15分遅れで出発してもHannoverには2分早着で着いちゃう。

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はい、とんでもない誤算でした。乗り換え時間が短かったのが悔しい。
分かる人にはわかる、こちらの特別な車両。BR120型という電気機関車で、元はDBのICなどを牽引することで有名な機関車でしたが2019年ごろに引退。現在は別の鉄道会社たちが買い取って貨物列車の牽引などで運用していますが、中でもこのよだれかけ塗装はつい到着2日前に工場から出場したばかりでまだ目撃情報も少なかったタイミングです。綺麗でしょ。影さえなければなぁ...

急いで肉屋に立ち寄って生肉パン(Mettbrötchen)を二つ買って乗り換え。道中BraunschweigではRailAdventureの車庫を通りかかったものの、写真は非公開。イスラエル向けDesiroHCやケルン向けの改造BR424を中心に、VectronやCFL2400などが留置されていました。

Magdeburgに到着後、まだ日が暮れていなかったので翌日のメインイベントに向けて準備がてら街中を散策して下調べ。

これは職場でもすでに話したのだが、中心街と思われる歩行者道、道路4車線分くらい広い割には本当に何もなくてむしろ不気味だった。いや、店舗はあるにはあるし営業はしているのだが、全くと言っていいほど人の気配がしない。土曜日だぞ? この街の人口は週末はどこに行っているというのだ、ストライキで大移動できるわけでも無かろうにさ。

スーパーで軽く買い物をして、早めにホテルへ。メインイベントに備えて、地図とにらめっこが始まる。

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うぉぉぉぉぉ

翌日は午前から盛り上がるよ、この雲一つない青空の下でラストランイベントが行われるんだもの。

んで課金すれば乗車できたわけでして。本来の行程なら私は臨時列車の到着数分前に就く予定だったので時間的に無理だと思っていたから予約していなかったんですけども...降りてきた撮影者の中に知ってる顔が...

あ。Tramathon氏じゃん。わーって軽く立ち話するくらいしか余裕が無かったけど挨拶はできた。そう、そんなことをやっている間に10枚くらいは撮れたのである。またあとでね~なんてお別れして、彼は乗車、私は撮影場所の移動。なんせこのあとコンボイ運転(続行運転)が予定されていたからね。

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前日に下見しておいた場所に行ってみると、撮影者ほぼいない。私の数メートル先に5人くらいってところだろうか、非常に撮りやすい環境で臨時列車を待ち構える。

まさかの警察車両と事業用車両の先導で来たコンボイ運転。なかなか面白いことやってるじゃん。ただこのカットのすぐ後に続行運転に割り込んできた先導車、タイミングもうちょっとどうにかならなかったものか…

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4列車のうち、前2列車は営業についている姿。では後ろの2列車はというと、教習者と線路削正車です。ともに事業車両に改造した車両ですね。ほかに表示する内容も特にないだろうに、なぜ行先表示器がフルカラーLEDに改造されているのかは本当に謎。営業車ですらオレンジLEDだったんだぞ?

コンボイ運転を見送り、後続の通常列車で車両基地まで追いかけ。普段は通らないルートを経由したからか、私が先に車庫ついてしまった。

待っている間、すでに立ち入っても良いとのことだったので遠慮なく。一番手前に先代車両にあたるT4Dが留置されており、私はにんまりしながら記録。奥にはゴータ製のT57やT4Dのトップナンバーにあたる1001号車なども留置されていた。あいにく建物の中には入れなかったのでこれより奥はじっくりと眺めることはできず。

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「車庫で横並び撮影ができるように並べます」との告知だったが、実際に横に並べたのは3列車だった。撮影者向けにロープが張られるなども無く、一般の人が行きかう中の撮影となったためかなり難しい撮影会。気づけばどこから湧いてきたか分からない人数が敷地内にいた。特に正面から撮影できる位置はあまりにも窮屈だったのか、殴り合いが始まる事態に...

そんな私は横からのカット数枚で撤退。なんせ正面から撮ると逆光だったうえに私の望遠レンズではちょっとばかり難しかったので、ね。

Tramathon氏にまた会ったので、少し立ち話をしてから私は中央駅に戻り、Erfurt行きの列車に乗車。

普段ならICEとかで速達ルートを使って移動するわけですが、まぁ引き続きストライキの真っただ中。MagdeburgからErfurt行きの直通列車はあるのですが、こちらは近距離用のディーゼル列車で2時間以上揺られるわけですね。

やってやろうじゃないか

実際に乗ってみたところ、天気も良かったからかなかなか沿線が楽しい。廃れた風景や廃墟が好きな私にとっては沿線風景には全く飽きない。むしろもっと頂戴こういうの。

昔はもっと重要な路線だったのだなと、私みたいな鉄道好きなら一発でわかるような設備が大量に残っていた。

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途中駅では鉄道車両の墓場なのかと思うくらい広大な土地があり、ざっと30両ほどだろうか、機関車やレールバスがボロボロな姿で佇んでいた。この写真を見るだけではドイツだとは思えない光景。

さすがに2時間以上もかたい座席に座っていると、そんなに身体に肉がついていない私はどこかしら痛みを感じ始めるが、とてつもなく有意義な時間だった。ぼぉっと車窓を眺めるのが大好きな私にとっては最高の路線だった。ぜひまた行きたいものだ。もっと快適な座席を開発してくれ。

Erfurtにはほぼ定刻に到着し、この日はこれにて終了。

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初手、神。

ありがとうございました(終わらない)。いや、Düwagが予備車扱いとなった今、この子たちが稼働しているタイミングで3車種全部一枚に収まるなんてなかなかの奇跡ですよ。

あ、Gothaです。Erfurtから朝一番に移動した先のGothaです。初訪問ですよろしくお願いします。

西のデュワグ、東のタトラ。かつて東西ドイツに分かれていた時代に製造されたこの2種類の車両も、デザインが全く異なりながらも共に頑丈で長年使える車両として各地で重宝されているのはなかなかないことだとは思う。そんな東西を代表する2つの車両が同時に見れるゴータはトラム的東西ドイツの境界線なのだろうか。南のシンドラー君、君は北から相手を探してきてください。

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これは到着時のDüwag君。もとはMannheimのGT8N型を譲り受け、ゴータの色に塗り替えられた車両。

4番系統で中央駅に到着しましたが、折り返し運用に就くことなく回送で入庫していきました。代わりに来たのは先ほどの画像の奥にいる、Baselから買い取ったSchindler製のBe4/8型。

最高の天気に恵まれた上、私の大好きなDüwag車も見ることができてすでに大満足。

ただここで終わらないのがNITSクオリティ。

この街の主役となっている、TatraのKT4D型。現役の車両の中では304号編成のみ製造時からGotha、他の10編成はErfurtから買い取った編成となるものの、316号編成と317号編成のみ少し変わった改造を受けているんです。

通常は片運転台で、各所終点はループ線や折り返し設備が備わっているわけですが、6号線の折り返しにはポイント切り替え操作を行う必要があり、ダイヤの都合上かなり厳しかったため2編成のみ両運転台に改造されたわけです。ただし扉は追加設置していないので、タトラ車両の中でもかなりの異色を放つタイプとなっています。

そんな6号線専用車両が、この日はなぜか2号線の運用に。レアなシーンを撮れたな。

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気づいたら何かいるし。

赤白塗装もだいぶ減りましたね。まぁもともとErfurtのカラーリングだからGothaの水色と黄色に合わせつつあるのは普通か。

とはいえ、なぜ回送列車が停車しているのか。乗務員交代でも車両交換でもなく、この後来た方向にまた戻っていきました。試運転でもなさそうなので完全に謎。

一タトラ去ってまた一タトラ。

名鉄のモ880です(違う)。

なんか次々と来るな、しかもなかなか被らず。車体全体が赤い編成はかなり少数派。現在ではむしろ唯一かな...?

奥は影が被ってしまったものの、1枚の写真に3種類のタトラを収められるのもかなり愉快。

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以前はDüwag、現在はSchindlerの車両がメインに走る4号線もこの日には一運用はなぜかTatraの重連。

ほかの路線は市内運用に対して、4号線は郊外まで走るから中央駅行きの表示も他と比べると違うのでなかなか貴重な資料。それにしても丸いヘッドライトがお目目みたいでかわいいですね。

お綺麗ですわぁ~(唐突なお嬢様言葉)

新製時からずっとGothaを駆け抜ける304号編成。クラシカルな帯を巻いたクリーム色は、青空の下ではよりきれいに輝いて見えた。

ちなみにですが、ここまでのタイム、50分です。初訪問にしてたったの50分でこれだけ収穫があるのはなかなか効率が良い。むしろ良すぎて逆に心配になる。私なにかやらかした? 私なにか不運にでも会うの?

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あたり一面タトラだらけ。これほどタトラが運用されるドイツ国内の都市もなかなか少なくなってきているような気がする。車両と運用に対する比率で考えると、ここがトップだろうか。

同じタトラでも、画像に映っているのはこれまた別々の3種類。奥が深すぎて、解説をはじめようもんならこのブログが永遠に終わらなさそうなのでここらでやめておこう...

予定を早く切り上げても良い雰囲気になったため、本来乗る予定だったICEより2本前に乗車。

ただ乗っている途中で、このまま直帰するのももったいないと思っていまい...

気づけばローカル線を乗り継いでKasselにいた。

早速なんかいますね。N8Cの教習者は到着してすぐに遭遇したものの、結局帰路につくまで2回とも光線具合最悪な立ち位置で出会ってしまったので近いうちに再訪問する必要がありそう。

衝撃的なことを言うと、なんとカッセル初訪問です。フランクフルトから比較的に近いのにねぇ...(大体はHannoverやHamburgに向かうから通過点ではある)。

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市内では特に目的もなく、初めて見る車両をひたすら記録するばかり。

こちらのNGT8型もフランクフルトのS型と同じかと思いきや、私も現地に行って初めて車体構造が完全に違うことを発見する。やはり現地に自ら足を運んでこそある発見が楽しい、だから旅がやめられない(中毒者)。

この後は特に特筆するような出来事も無く、のんびりと帰路につき、無事に夕方には帰宅。

3日間という短い旅行期間の割には、かなり愉快で収穫豊かな充実したショートトリップでした。ストライキでもっとハチャメチャになるかと思いきや、意外と長距離旅もできるものなのだなぁと少しばかり関心。