フェーマーン島・プットガーデン
かつては「スカンジナビアへのゲート」とも呼ばれたフェリーターミナルが残るドイツの北東にある小さな島、フェーマルン島。ドイツでは数少ない水族館も存在する「渡り鳥ルート」のドイツ北端部にあたる、バルト海に浮かぶ島の紹介です。
ドイツの北東にある小さな島、フェーマルン島。北端にあるPuttgardenという駅はかつてはドイツ最大のフェリーターミナル駅で、一時期は「スカンジナビアへのゲート」とも呼ばれ、2019年まではデンマークに抜ける国際列車がこちらを経由しておりました。ベルトトンネルの工事で現在はリューベックからバス代行となっております。
タイトル画像にもあるPuttgardenに続く線路を、通称「渡り鳥ルート」と呼びます。この「Vogelfluglinie」はドイツのリューベックとデンマークのコペンハーゲンを結ぶルートを指しており、重要な国際幹線ルートとして重宝されていました。
以前はフェリーターミナルで貨物列車の扱いもありましたが、船に乗せる作業の効率や路線のキャパシティの関係上、徐々に衰退していきました。
私が何度も通ったのは、初めて乗った時に見た車窓の景色に惚れたからでした。いつか沿線でも撮影してみたいと思いながら計画ばかりを立てては行かずにいた中、工事の関係で路線の休止になる日が迫りつつありました。車の免許も持っていないので、フランクフルトに住んでいる身としては気軽に行ける距離ではありませんでした。そんな中2022年に9€チケットが開始され、ついに現地まで列車で行き、最寄りの駅から片道1時間かけて浜辺まで歩き、2時間に一本しか来ない列車を待ち構えてカメラに記録しました。30度越えの8月の日差しの中、ここまで無理して撮りに行った写真は、いい思い出でもあり自分でも気に入っている一枚です。
鉄道が無くなった今でも、海辺に遊びに行くにはちょうど良い環境です。
おすすめ見どころ紹介
島の中心に位置する街Burg(ブルグ)にはドイツでは珍しく水族館があります(Meereszentrum Fehmarn)。館内は日本の水族館に引けを取らないくらい見どころが多く、日本では見ることのない魚の種類もいるのではないでしょうか。
ちなみにタイトル画像の撮影地はGroßenbroderfähreという村の海岸です。近くに駅がないので、隣町のGroßenbrodeの駅から1時間ほどかけて徒歩で頑張りました。もちろん重い撮影機材を持って。列車3本撮影し、また1時間かけて駅に戻るというかなり効率の悪そうな撮影ですが、かなり息抜きになりました。